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【後編】「もし今、アスペのご主人が大学生だったら、自殺していたと思う。」
~その大学進学、本当によく考えましたか?~ 

こんにちは。かめ吉です。
前編では、採用環境についてお話しました。

それで、ご主人に大学生活と就職活動のことについて聞いてみたのですが、
どうやらご主人にとって大学生活って黒歴史のひとつだったようです。それでも、こっそりばらしちゃいます。

アスペの亀さんの大学生活

まず、大学生活ですがご主人には一年に一回は何かしら問題を抱えていたようです。

サークルも部長とのいざこざ(お酒の席の問題だとか)で一年たたずに辞めていますし、
ゼミも一年で辞めてしまいました。

1年のときから学内の診療所で睡眠薬をもらっていましたし、
学生相談室というカウンセリングルームにも2年のときから通っていたそうです。
(不適応感にずっと悩んでいたらしいです)

4年生のときに内定をもらっているのに中国語の単位を落として留年して内定は取り消され、
学生相談室で自殺するとワンワン泣いて、あわや精神科への緊急入院まで検討されたようです。

アスペの亀さんの就職活動

そして、就職活動を2回やって、
今でも就職人気ランキングで上位に入る企業の内定をもらい卒業したとのことでした。
ちなみに卒業式は欠席してしまいました。

その当時も「就職氷河期」といわれていましたが、
今考えるとこんな僕によく内定を出す企業があったなぁって思うよとご主人は言っていました。

ちなみによかったことも聞いてみましたが、
お米作り(今でもご主人はやっています)ができたことと、
卒業が確定した段階で、学生相談室の職員さんからネクタイピンをもらったことなんですって。
(その前に職員さんにドリカムのCDをプレゼントしたそうですが)

なぜ1000人を超える学生が自ら死を選ぶのか?

さて、ここからが本題。
なんで1000人を越える学生・生徒が自ら死を選ぶことを選ぶのかについて、
僕たちなりに切り込んでいきましょう。

「新卒カード」っていう言葉を聞いたことはありますか?
新卒でまともな企業の正規雇用を得られないと、
ずっとアルバイトや派遣社員などの非正規雇用や、
ブラック企業という就労環境が劣悪な企業にとどまらざるを得ないという「現象」らしいです。
大学の就職課も正社員とフリーターの賃金格差を提示し「フリーターだけにはならないでください」と
発破をかけるのだとか。

ところが、ほとんどの学生は広告をバンバンしているような会社しか知りません。
(ご主人が通っていた自己分析講座で、知っている会社をありったけ書き出すというワークがありましたが、
100社書ける学生はごく少数だったそうです。)

そこで、学生のエントリーは特定の有名企業に集中してしまい、
ものすごい負荷をかけられた上に大半の学生は落とされてしまいます。

そして、そういうことが20社、30社って続くと自らの人間性まで否定されたという気持ちになります。
メンタル的に弱気になると、応募して不合格になって・・・という悪循環に陥りやすくなります。

中小企業であっても優良な企業はたくさんありますが、
そこまで目が回らずにメンタル的に追い込まれてしまい、
精神科にいったら「うつ病」って言われるくらいになってしまいます。
最後に「内定がもらえないのは自分が無価値だからだ…」という絶望感に襲われ、
最後に自殺にいたる…というケースがいわゆる「就活自殺」の典型的なパターンだろうなって僕たちは見ています。

現在の日本の新卒採用環境とは

もう一度、今の採用環境を振り返りましょう。
過去の学生生活も性格も短期間で「修正」できるものではありませんよね。
それらを深く問われ、何十社って落とされたら「からくり」を知らない限り
人間性を否定されたって考える学生はきっと多いはずです。

ご主人だって1年目の就職活動のときは、「新卒派遣」を真剣に検討していました。
まして、今は非正規雇用を検討すると親とかから横槍が入ってしまう時代です。
一本のレールしか見えていないのに、その一本のレールに乗れないということになったら
絶望感に襲われてもおかしくないはずです。

実業家出身の某国会議員が「就職できなければ起業すればいい」と発言して物議を醸しましたが、
よほど優れたビジネスプランを創れなければいったいどこの金融機関が起業に必要なお金を貸すでしょうか?

学生の自殺を防ぐためにはどうすればいいのか?

僕とご主人はどうしたら少しでも自殺を防げるか考えました。
ここでは進路とキャリアの選択に絞って僕たちが考えた対策をお話します。
正直僕たちもここでいうことにそんなに自信はありませんが、
カメのたわごととして聞いていただければ幸いです。

(方法1) 世の中にはたくさんの職業や会社があることを知る。 

今日本では、30000を超える職業があるといわれています。
でも、多くの学生はその百分の一も知らないだろうなと僕たちは思っています。

「新・13歳のハローワーク」(幻冬舎)という本もありますし、
ヤングハローワークやジョブカフェ(東京だと飯田橋の東京しごとセンター)に行けば
いろんな職業のカタログやビデオも見られます。

また、いろんな会社について知ろうと思ったら、
「会社四季報」(東洋経済新報社・未上場企業版もあります)を図書館で借りて読んでみたり、
「ワールドビジネスサテライト」、「カンブリア宮殿」(いずれもテレビ東京系)などの
経済番組を視聴したりするのはいかがでしょうか。

(方法2) 自分の志向を知る 

実はご主人もそうだったのですが、自分のやりたいこと(志向)と
会社が求めることが一致しなかったということがあったりします。

そうなったらお互い悲劇ですよね。

世の中には自分の志向を整理してくれるツールがたくさんあります。
たとえば、ハローワークにいけば、
「キャリア・インサイト」(労働政策研究・研修機構)という
職業適性診断ができるプログラムが入っているパソコンがあります。
(もちろん無料です!)

また、ガラケーからのアクセスのみとはなりますが、
「キャリモバ.」というサイトでも志向を知ることはできます。

より細かく志向が知りたい方には、
有料にはなりますが「MBTI」とか「キャリパー」というツールもあります。

(方法3) 大学進学に当たって知っておいてほしいこと

前編で「戦略的な学生生活を送ること」ということをお話しました。
面倒見のよい大学(たとえば金沢工業大学)も探せばありますが、
基本的には大学って自分の希望と責任で学生生活を組み立てていかなければいけません。

そして残念な話ですが、今でも出身大学による選別は行われています。
ブランド大学だと簡単に説明会の予約が取れるのに、
そうでない大学だとすぐ満席になってしまう…なんてことは、
会社側のシステム(正確には就活サイトが運営する企業向けのシステム)で簡単にできてしまうのも事実です。
目的意識をしっかり持たないと、あっという間に就職活動の時期ってきてしまいます。

大学に進学することを考えている方は本当に何がやりたいのかということを
真剣に考えてみることをご主人の経験から強くお薦めします。
また、特定の分野に興味があって進学を考えている方には、専門学校という選択肢もあります。
正直授業は詰まっているので遊ぶ時間は少なくなりがちですが、就職の実績を真正面から問われますので、
進路指導については一日の長があることも確かです。
どちらが合うかっていうのは人によって異なることも確かなので、
オープンキャンパスなどに行って(大学だったら、普通の授業に忍び込むこともできたりします。)
合う学校を選んでみてはいかがでしょう?

(方法4) すでに進学している方へ

エントリーシートの出題例と回答事例は本屋に行けば売っています。
なるべく早いうちに一冊買って読んでみてください。
多くの会社が暗に求めていることを知ることができるでしょう。
そして、これをヒントにして学生生活を組みなおしてみるのも一手です。
また、インターンシップにいくのも一案でしょう。

アスペの亀より、精神的に辛いあなたへ

最後に僕とご主人が言いたいことがひとつあります。
人生って何があるか本当にわかりません。
人生の次のページを開くのは生きていないとできないのです。

ご主人が学生のときに、障害年金の支給を受けるなんてことは全く想像できませんでした。
会社生活を辞め、学校に入り直し、医療系の仕事に就いた友人もいます。

そして、今精神的にまいっていしまっている方は、勇気が必要かもしれませんが、
ぜひ精神科の先生の診断を受けてください。

街の中に、メンタルクリニックはたくさんあります。

薬を飲んだり、しばらく就活から休んだりすることになるかもしれませんが、
元気が回復して納得のいく進路に進めた方を、僕もご主人もたくさん知っていますよ。

ぜひ一人で考え込まず、周りの人に相談してみてください。
僕もいつでもお話を聞きます。ぜひ、その際にはこの記事の感想も聞かせてください。

この僕とご主人の体験、想いが、一人でも多くの人に届くことを願ってやみません。

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