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自死遺族
父を亡くし、生まれた新しい道~自死遺族
高3の時に父を自死で失いました

はじめまして。
高校3年生の時に父を自死で失った佐藤かえでと申します。
現在は大学で心理学を学んでいます。

今回、タイトルを「父を亡くし、生まれた新しい道」といたしました。
つらい状況にある自死遺族の方や、自死に関して悩みを抱えている方に、
どうしてもお伝えしたいことがあり、筆を執らせていただきました。

私の経験を交えて書かせていただきます。

「パパね、亡くなったの。」

高校3年夏の始業式の日の夕方、
私が帰ってくるなり母は
「パパね、亡くなったの。」と語尾を震えさせながら言いました。

母と妹、私の3名で私の部屋に集まり、
父は自ら命を絶ったのだと知りました。

その時同時に、我が家が数年前に自己破産しているということも知りました。

そんなことを全く知りもせずに、
『一人暮らししながら進学したい』『お風呂は個別が良い』と
わがままを言い続けていた自分を責めました。

父の葬儀後の話し合い

葬儀が終わり、家族全員で集まり、これからのことを話し合いました。
当時希望していた専門学校に通うことも、働くことも、
どちらを選んでもいいと言われました。

ですが、父を亡くした悲しみと同時に、
父を失った我が家はこれから暮らしていけるのか
という不安も私を覆っており、

私が働かなきゃいけないと考えていました。
そうして、私は高校卒業と同時に、ある携帯販売店に勤め始めました。

もう一度勉強したい

そこで、お父様と娘さんの二人組の接客をしている時
「大学に行ってもメールするね。」という会話が聞こえてきて、
思わず泣き出しそうになりました。

何の悩みもなく進学できることがとても羨ましく思えてきて、
私も本当は進学したかったんだという
自分の気持ちに気づいてしまいました。

そして私は、奨学金を借りて進学したいと思うようになりました。
一度就職すると決めたのにも関わらず、気持ちが揺らいでしまい、
非常に情けない気持ちで一杯になりました。

本当に学びたいのか、遊びたいだけじゃないのか、
自分に何度も質問し、最終的に出た答えが

「一生をかけて父のことや自殺問題について考えたい。
そのための基礎になる学問は心理学ではないか。
大学にいって心理学を学びたい。」というものでした。

父のためにも心理学を学びたい

専門学校で当時やりたかったことより、
自分のためにも、他の自死遺族の方々のためにも、
父のためにも心理学を学びたいと強く思うように気持ちが変わっていきました。

そしていま、4年制大学の心理学部に編入学し、
心理学を学んでいます。

そこで新たに興味をもった精神医学や臨床死生学といった授業では、
自死問題が多く取り扱われ、充実した日々を過ごしています。

父が作ってくれた道

私がまだ小さい頃、
庭で遊んでなかなか家に戻らなかった私を迎えにきた父は、
家の入り口から私の近くまで、
足で砂利をよけて小さな道を作ってくれました。

その道を見て私は嬉しくなり、その道を通って家に帰りました。

父は死後、私の進む道を作ってくれました。
あの時と同じようにです。

あなたにも新しい道が見えるはず

私が自死問題に興味をもつようになったのも、
自死遺族のひとりとして、
他の自死遺族の方を支えたいと思うようになったのも、
父の死があってこそでした。

いまここに自分の体験を書いているのも、
自死遺族や自死に関連する問題で
苦しんでいる方々を支えたいという思いからです。

父の自死によって、新しい道が生まれました。
その道を今私は歩んでいるのだと思います。

自死で愛する人を失う悲しみは、
なによりも辛いものです。

ゆっくりと立ち直り、死を受け入れられたら、
周りを見渡してください。

きっと愛する人が、あなたのために作ってくれた新しい道が見えるはずです。
この拙い文章が、その気づきのきっかけになればと願っています。

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はじめまして。丸田勝也/ここおる編集長です。このサイトは、私が命を懸けて取り組みたいと考えているものです。いったい私が世界に対してどのように貢献できるのか、最大付加価値はいったいどの分野なのか、まだまだ模索中の段階ではありますが、このサイトは最初の取り組みです。ぜひ今後とも、本サイトの方針、運営に対してなどご意見・ご感想等お待ち申し上げております。@cocooru @katsuyamaruta

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