Home > 【連載】アスペルガー症候群と共に生きる僕の勇気 > 【1】アスペルガー症候群と共に生きる僕の勇気-歪んだ社会を変えるために(池宮一朗)
知ってください、僕達のことを。そしてあまりに理不尽な現実を。
僕は、「アスペルガー症候群」という
自閉症を持って生まれてきた障害者である。
「アスペルガー症候群」とは、
知的障害を伴わない高機能自閉症の一種で、診断が非常に難しい。
そのため、僕も含めた多くの人が、
長い間健常者と見なされて生活していくことになり、
多くの悲劇も、そんな社会から生まれた。
平成9年に起きた「神戸連続児童殺傷事件」の犯人の少年や、
平成17年の大阪府「寝屋川市小学校教諭殺傷事件」の犯人の少年も、
それに該当するらしい。
もし彼らの特異性の理由をもっと早くに周囲が理解していれば、
このような凶行を未然に防ぐこともできたかもしれない。
かくいう僕も幼いころからいじめの格好の標的とされ、
20歳を過ぎても依然として、心無い不良少年の誹り(そしり)を受け続け、
そのうえ心から打ち解けあえる友人も見つけられぬまま、
最愛の肉親との死別を体験したりして、
人として人の中で生きていくことに非常に苦しんだ。
これから語るのは、
僕自身が障害者であるということに気付けず、
健常者として生きて行こうとしたために起きてしまった、
いくつも悲惨な出来事である。
(続く)
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