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【学校って絶対的なものではないのですよ(アスペの亀さん)】大津いじめ自殺事件への意見投稿 
こんにちは。かめ吉です。

実は、ご主人はある大学の公開講座に通っています。
前期のテーマが「いじめ・不登校の教育学」というもので、
ご主人も子どものころを思い出しながら、
大学生と混じって授業を受けていたみたいです。

レポートの中に、自分が体験したいじめのことを考察するというものがありました。
おそらく思い出すのがつらくて僕がお手伝いすることになるだろうなと思いましたが、
何とかご主人一人で書き上げたと聞きました。。

レポートの中身は・・・

後で読ませてもらったけど、
僕が書いたほうがうまく書けたかもしれないと思いましたよ。

大津いじめ自殺事件

さて、大津でいじめによる犠牲者が出てしまいました。
メディアで大々的に取り上げられた当初は、
学校側も教育委員会側も
なかなか因果関係を認めようとしていないように僕には見えました。

はっきり言って僕は、いじめた側も、
それをなかったことにしようと画策しようとしている側も許せません!

実は、過去にもいじめなどで児童生徒が亡くなり、
裁判で争われたケースは少なくないのですが、
学校や行政の責任を認めた裁判例は少ないですし、
いじめと児童生徒の死に因果関係を認めたケースはごくわずかなのです。
(今年司法試験を受験したご主人の友人が調べてくれました。)

最近も、埼玉県北本市の中1女子生徒のいじめ自殺事件で
東京地裁が両親の訴えを棄却してしまいました。
中1女子いじめ自殺訴訟、両親の請求を棄却

埼玉県北本市の市立北本中1年だった中井佑美さん(当時12歳)が
2005年に自殺したのは、学校側がいじめ対策を怠ったためなどとして、
佑美さんの両親が国と市に計約7600万円の損害賠償を求めた訴訟で、
東京地裁は9日、請求を棄却する判決を言い渡した。

 遺書に自殺原因が学校生活に関係することを示唆する記述はあったが、
舘内比佐志裁判長は「原因がいじめであると認定することはできない」として、
国や市の責任は認めなかった。原告側は控訴する。

 佑美さんは05年10月、登校中にマンション屋上から飛び降りて自殺。
市は在校生のアンケート調査などから「いじめは確認できなかった」とした。
原告側は「市と国は調査義務を果たしていない」とも主張したが、
判決は「調査方法は自治体の裁量に委ねられるべきで、
今回の調査に違法な点は認められない」と結論づけた。
(2012年7月9日 読売新聞)

元教員の方の寄稿を読んで

さて、ここおるに元教員の方が寄稿してくださった記事を僕とご主人とで読みましたが、
公立の学校でいじめが発生したら救われない可能性が十分ありうるなと僕は思いました。

僕もご主人も、いじめにあったら逃げるがかちというのには賛成ですが、
とはいっても学校に通う子どもたちは素直にそのような気持ちにはなれないだろうな・・・
と思いました。

子どもたち(そしてその親御さんも)は学校というのは絶対的なところだという
「信仰」が強いと見ているからです。
僕は、これからそのような「信仰」にささやかな反論と抵抗をしたいと思います。

おとなが学校に通う場合

まず、おとなが自らの意思で学校に行く場合を考えて見ましょう。
おとなが通う学校(たとえば簿記学校などが代表的でしょうか)の場合、
大概は受講を決めるまでにたくさんの情報に接することができます。

学校側も無料でガイダンスをやったり、
最初の授業を体験受講させてもらえることも少なくありません。
万が一先生と相性が合わなかったり、
教え方が合わないと思ったらクラスを移動することを認める学校もあります。
アンケートなどで評価の低い講師はクビになってしまいます。

そして、受講生側も私語などの「迷惑行為」をした場合には
即「退場」を命じられてしまいます。
最近はブロードバンドの環境が行き届くようになったこともあり、
インターネットを通じて授業をうけられることも増えてきました。

子どもが学校に通う場合

一方、子どもの場合はどうでしょう?
公立学校に通う場合、自分の意思で先生を選ぶことはできません。
一部の地方自治体では「学校選択制」を導入していますが、
小学生の段階で自ら学校を選択することは難しいでしょう。

中学生であっても、「制服がかわいいから」とか
「友達が同じ学校に行くから」くらいの動機で学校を選ぶことがほとんどでしょう。
運動会、文化祭、授業参観・・・などのイベントをやっているときに
学校の姿を垣間見ることはできますが、
これらのイベントで見る学校の姿は、
たとえて言うならお化粧された姿であり、
普段の学校の姿はブラックボックスといっても言い過ぎではないでしょう。

読者の皆様も、授業参観の時だけやたら張り切って授業している
教師の姿を見たって体験って覚えていませんか?

日本は民間教育が高度に発達した国

さて、日本は塾、予備校、通信教育といった
民間教育が高度に発達した国でもあります。
これらの民間教育では受講生が満足しない教育しかできなかった場合、
遅かれ早かれ受講をやめられてしまいます。
新聞に入ってくるチラシを見ていると、
個別指導の塾や家庭教師の場合、
相性のいい先生を選ぶことまでできるようですね。

進研ゼミやZ会などの通信教育も、
いかに受講生のモチベーションを高めるか相当研究されています。
僕も進研ゼミの見本を見せてもらったのですが、
これはすごいなって思いましたよ。

これで、勉強するなら民間教育でも十分にこなせる、
ということはご理解いただけると思います。

学校は子どもの人格形成に重要な役割?

えっ、学校は勉強のためだけに行くところではないですって?
子どもの人格形成だって重要な役割だといいたいわけですよね。
学校や教師にそのようなことを求めるおとなが少なくないのは知っていますが、
少し考えてみていただけますか?

地方の学校ですと一クラスあたりの児童生徒数は少ないですが、
多くの学校では、一人の先生が、
40人近くの児童生徒を相手にしなくてはなりません。
そうなると、一人ひとりに対する生活指導って
それほど時間をかけられるものではありません。
金八先生みたいな先生は世の中にそうそういるわけではないのです。

残念なことに、公教育では先生が「はずれ」だったとしても
その先生から離れることは、転校するかよほどのことがない限りできません。

仮に生徒指導力に乏しい先生に当たってしまい、
クラス内でいじめを受けたりしたらどうやって救済を求められるのでしょうか?

おとなと子ども。公教育と民間教育。

今まで、おとなと子どもの教育環境を見てきました。
そして公教育と民間教育も対比させて見ました。

こうやって見ると、
学校を絶対的なものとしてみる「信仰」に、
疑いをかけてもいいかもしれないって思いませんか?

提案:学年の初めに配布する書類の義務付け

僕が考えたことがあります。
すべての公立学校で、
学年のはじめに次のような文言
(太字・ゴシックで記載したもの)の入った書類を
配ることを義務付けたらと考えています。

「もし、あなたがいじめにあったり学校内で危害を加えられることがあったら、
あなたはいつでも学校を休んだり転校することを申し出る権利があります。
そのような措置をとってもなお問題が解決しない場合には、
試験(中学校卒業程度認定試験)を受けることにより
学校を卒業することと同等の権利を得ることができます。」

僕だってこれ以上いじめによる犠牲者が出ることって耐えがたいです。
ご主人も何度もいじめを受けた経験があり、
それについて本人の性格が問題だと
取り合ってくれなかったという経験をしています。
そんな話を聞くと、
学校を絶対的なものとしてみるのをやめてみませんか・・・
って言いたくなるのです。

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